ジョイフライト目的で、最終着陸地点を六角川堤防と定め、多久市北多久町のスーパー駐車場を離陸。当日の予報では、地上風が午前9時頃には2m/s程度に落ちる見込みだったが、飛行中、地上クルーからは「地表風が強く、3m/sは吹いている。」との情報があり、最終着陸態勢に入ると、GPS計測で地表風は10.1ktと出ていた。六角川堤防に当てただけでは止まらないと思い、手前の葦に突っ込んでスピードを殺しながら、一気にリップラインを引ききって止めようとしたが、堤防の法面をバスケットがかけ上がり空中に持ち上げられて、麦田にタッチダウン。再び、浮力が無い状態で機体が空中に持ち上げられたが、眼前の支線と球皮ワイヤーが接触しては危険と判断し、リップを引いて止めたところ球皮が覆い被さった。 この時、シリンダーバルブは全閉で、種火も消火済み。 |
これまでに数回しか操縦した事のないメーカー製の新しい球皮であったために、個人的に不慣れで、リップラインの引き具合が結果的に弱かった可能性は否めない。これからもっと、機体特性を理解しなければならないと痛感した。 一回目に機体が持ち上げられた時は、バーナーを炊き込んで直下の小屋への激突を避け、二回目に持ち上げられた時は、球皮ワイヤーの切断を避けるために敢えてリップを引いて球皮を支線に被らせることで、最悪の事態を回避し、第三者への損害を最小限に食い止めることができたのは不幸中の幸いであった。 |
ランディング時の風の速さに対してリップラインの引きが甘かった事が今回の事故の最大の要因だと思います。PICは葦原をブレーキにと考えたようですが、今の時期の葦原は枯れていて、クッシュンとしては有効であっても、かえって滑る事も考えられます。風の速さに対応して空中でリップを引ききるような対応が望ましかった。事故後の対応については電力会社やNTTなどへの通報、被害家屋への対処など問題なくできていました。
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